2017年6月15日 第1刷発行
著者:千田 琢哉(せんだ たくや)
発行者:岡 修平
発行所:PHP研究所
【著者紹介】
文筆家。
愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。
東北大学教育学部教育学科卒。日経損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。コンサルティング会社では多くの業種業界における大型プロジェクトリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまでの陣頭指揮を執る。のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって得た事実とそこで培った知恵を活かし、"タブーへの挑戦で、次代を創る"を自らのミッションとして執筆活動を行っている。
現在までの著書累計発行部数は260万部を超える(2017年6月現在)。
(著者紹介より抜粋)
【オススメ度】 | |
読みやすい度 | ★★★★☆ |
お役立ち度 |
★★★★☆ |
妙に共感する度 |
★★★★★ |
毎日毎日雨ばかりで鬱陶しい毎日ですが、皆さんいかがお過ごしですか?
関東方面は、本日は久々に晴れ間も見え、梅雨明けも間近という感じでしょうか?
本日は久々の4連休の最終日でしたが、昨今の状況下、巣篭もり状態でした。
幸いにもお気に入りのベランダに設置したハンモックがありますので、気ままに揺られていますと、日中にはセミの鳴く声が聞こえてきます。
夏が過ぎ、秋が来ればいよいよ診断士2次試験ということで、今年も暑い夏になりそうです。
それでは、今週の1冊です。
まとめ買いの時にたまたま手にとった1冊で、著者を存じ上げていたわけでも本書の中身を吟味して買ったわけでもありません。
しかし、これを「ご縁」というのでしょうか?
自分の考え方に非常に似ていて、共感できる点が多い本でした。
それゆえ、勉強になる部分も非常に納得的でした。
今回もたくさんの気づきがありましたが、なんとか3つに絞ったので、ご紹介させていただきます。
気づきの前に、この著者に対して非常に好感を持つに至ったエピソードをご紹介致します。
以下、本書からの引用です。
(「準備しようのない部分で人は評価されている」、という項目の中盤で)
実際に私自身が経験したことを紹介しよう。
ある会社の前の横断歩道で、数多くのダンボール箱を運んでいた荷車が転倒した。
信号もそんなに長くは待ってくれないということは瞬時に判断できたから、一緒になって散らばったダンボール箱を拾った。
宅配便の運送業者はとても喜んでくれたが、信号を数回見送ったためアポイントメントの時間がギリギリになってしまった。
汗だくになりながら駆けつけたところ、社長がその様子をビルの社長室から見ていた。
社長室に入るや否や、まだ提案も何もしていないのに契約が決まった。
開口一番、
「おう!何でもいいから一緒に仕事をしよう」
と声をかけられたのだ。
これは後日談だが「コイツならいざとなっても逃げない人間だろう」と判断したからだと教えてもらった。
(引用ここまで)
・・・・・・イイ話でしょ!?
他にも、
「声が大きすぎる挨拶は自己満足で、周りに聞こえて反応できるくらいが適切だ」
とか
「1秒目が合ったら会釈をする」
とか、
私の価値観に近いものがあって、すでにちょっぴりファンになりかけてます。
生まれと育ちが田舎なところが、共通点でしょうか?(笑)
それでは、「時間術」、「営業術」、「成功術」から、学びになった項目を1つずつご紹介致します。
一番最初は、「仕事を前倒しに」という、社会人なら誰もが知っているスタンスです。
明日やるのではなくて今やる。
来週やるのではなく今週やる。
来年やるのではなく今年やる。
・・・当たり前すぎますね。
ですが、ここ1年の私は、この反対を行ってきました。
明日できるなら、今日はやらない。
来週やれるなら、今週はやらない。
これは、画一的な「残業時間削減ルール」に対する自分なりの処世術であり、
「仕事の優先順位を付けて、効率的に業務遂行しているのですよ」
という、分かったような理屈に基づく行動でした。
しかし、この項目の説明を読んで、考えを改めました。
(以下、引用)
前倒しにすると人もお金も殺到するようになることは疑いない。
前倒しに仕上げることによって自分の時間を創っている以上に、相手に時間のプレゼントをしているということになるからだ。
相手に時間のプレゼントをすると、必ずあなたに対する優先順位は高くなる。
本当は明日やろうと思っていた仕事を、今日やろうと思ってくれるかもしれない。
前倒し主義は周囲に感染していく。
前倒し主義に感染したグループは、共に咲く人生を歩むことができる。
成功者とそれ以外の人では努力量が違うのではなく、タイミングが違っていたのだ。
(引用、ここまで)
この部分を読んで、頭を殴られたような衝撃を覚え、思い上がっていた自分を恥ずかしく感じました。
したり顔で「優先順位」とか言っていて、結局は自分のことしか考えておらず、仕事相手や顧客を見ていなかったことがよく分かりました。
また、前倒しは「努力量が違う」のではなく「努力するタイミングが違う」ということも、冷静に言われてみれば、至極当然のことのように聞こえます。
もちろん、今の「のんびりペース」から前倒しのルーティーンに乗せるには努力が必要ですが、一旦前倒しペースに乗ったら、あとは通常の努力でも、締切ギリギリマンより確実に評価が高くなるわけです。
時間外削減のルールに甘んじて緩みきったネジを、改めて巻き直そうと思います。
〜 To Do 〜 |
前倒しは「努力のタイミングが違うだけ」と捉え、即実行する。 |
これは、
(1)商談時における、セールスマンの喋りすぎ防止
の話と、
(2)商談前に用意周到に準備した上で、そのほとんどを捨てる覚悟
について説明された項目です。
まず、
「売れないセールスマンほど、実によく喋る。」
「反対に、売れるセールスマンというのは、相手の話をよく聞くものだ。」
「とにかく相手の話に耳を傾けることが重要」
ということが本書に書かれています。
私も、営業の端くれですので、この程度のことは理解していたつもりです。
ですが、私の場合は、相手の話をよく聞いた後で、
「それでは、そこは調べて後日ご報告致します。」
というケースが多いです。
これは、商談について大して準備をしていないので、分からないことがあったら後で調べてメールで回答すれば良いや、という発想です。
もちろん、分からないことを知ったかぶってその場で断言することは言語道断ですが、かといって、分からないことを持ち帰りにすることも、一流ではないですね。
その点、本書での指摘は心に刺さりました。
(一部、抜粋引用)
売れるセールスパーソンは、売れないセールスパーソンたちより遥かに話す内容は多い。
用意周到に準備をしている。
しかしながら、売れるセールスパーソンは無駄に話し過ぎることはしない。
100準備してきて、99を捨てる覚悟がある。
上澄みの1を、相手に伝えるのだ。
その人のオーラというのは、準備してきて捨てた量に比例する。
捨てることによって「この人にはまだ何かある」と思わせられるから仕事が継続していくのだ。
(抜粋引用、ここまで)
これも、言われてみれば納得だし、こうありたいというセールスマンの理想像です。
自分の専門分野でない商談は、どうしても少ない知識で精一杯説明をしてしまうのですが、これでは自分が喋り倒すだけのダメ営業マンになってしまいます。
圧倒的な準備のもと、敢えて上澄みしか語らず、相手に話をさせる営業。
この理想像に近づけるように精進したいと思います。
〜 To Do 〜 |
周到に用意をした上で、上澄みの1を語る |
3つ目は、成功術についてです。
10年後に抜きん出ているタイプと、その他大勢に埋もれるタイプについて説明されています。
まず、その他大勢に埋もれるタイプですが、新しい事業を考える際に、皆で散々議論した終盤に、調べれば分かるような「正確」な情報を後出しジャンケンで出すタイプ、だそうです。
このタイプが嫌われるのは良く分かります。
では、10年後に抜きん出るタイプとして本書に挙げられているのは何かというと、
「仮設を口に出せる人」
とされています。
「正確な根拠はないけど、こうじゃないかな。」と、「正確な根拠なし」に自分の考えを口にできる人が、これからの時代に成功するとされています。
また、「学問の世界の頂点でもノーベル賞というのは、根拠を明らかにした人ではなく最初に仮設を構築した人に向けて授けられる。」という話も本書に紹介されています。
私自身も、根拠のある推論を求めがちなのですが、周囲には「取り敢えず仮説、それからブレスト、それで新商品考案」という先輩がいます。
真似しようと思ってもなかなか上手く行かないのですが、まずは「仮説を口に出す」ことから始めようと思います。
〜 To Do 〜 |
まず、仮説を口に出すことから始める |
自分の価値観に会う人の著書で、自分よりずっと完成されたビジネスパーソンの著書は、もしかしたら初めて触れたかもしれません。
自分が自惚れていた部分、疎かにしていた部分に対する気付きがたくさんあり、少し傷心しながら大いに勉強になりました。
非常に沢山の著書を書かれているので、今後も継続して拝読して行きたいと思います。
このページにも度々登場することのになると思いますので、読者のみなさま、ご承知おき頂けますと幸いです。
もうすぐ7月も終わり、来週の感想文は8月1週目です。
思い切り、夏を駆け抜けましょう!
それでは、来週も頑張って行きましょう!!
〜 To Do 〜 |
1.他人から好かれるよう、感謝の気持ちを持ち続ける。 |
2.尊く、強く、正しく、清らかな心をもつ。 |
3.念じて、言って、行動する。 |