2014年1月18日 第1刷発行
著者:山口 拓朗
発行者:石野 栄一
発行所:明日香出版社
【著者紹介】
伝える力【話す・書く】研究所所長。出版社で編集者・記者を努めた後に独立。22年間で3000件以上の取材・執筆歴がある。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通して「論理的なビジネス文書の書き方」「好意と信頼を獲得するメールの書き方」「売れるセールス文書&キャッチコピーの作り方」「集客につなげるブログ発信術」など実践的ノウハウを提供。
中国の5大都市で「Super Writer養成講座」も定期開催中。著書は『買わせる文章が「誰でも」「思い通り」に書ける10あの法則』『伝わるメールが「正しく」「速く」書ける92の法則』(共に明日香出版社)など10冊以上。電子書籍に2013年アマゾンKindle本(ビジネス・経済部門)の年間ランキング1位に輝いた『ダメな文章を達人の文章にする31の方法』(バレーフィールド)がある。文章作成の本質を捉えたノウハウは言語の壁を超えて高く評価されており、中国、台湾、香港など海外でも翻訳されている。(著者紹介より抜粋)
【オススメ度】 | |
読みやすい度 | ★★★★☆ |
お役立ち度 |
★★★☆☆ |
知っていたことが多かった度 |
★★★★☆ |
「やばい!今日が最終日だよ!宿題やってない~(泣)」
夏休みが終わる8月31日の、学生あるあるですよね。
夏休みの宿題を終わらせることが困難な理由の一つが、「大量の課題を、1ヶ月というまとまった期間内に終わらせる」というタスクを、「一人ひとりが自分のペースの計画を作成して取り組む」からではないでしょうか?
毎日のように、「今日は何ページまで」と決められ、毎日担任の先生に提出していれば、多かれ少なかれ、毎日の課題は少しずつでも計画的に進められ、多くの人が期限内に課題をやり切れると思います。
それが、1ヶ月間誰のチェックも無く、計画の作成から自身に任されると、順調に進めることは、大人でもタイヘンですよね。
さて、何故こんな時期外れの「夏休みの宿題」のことを急に書き始めたかと言うと、実は我が家で現在進行形で同じことが起こっているからです。
その名も、「長期自粛期間で学校から渡された宿題が、子どもたちのペースに任せていたら全然終わってない現象」です(苦笑)
学校では毎日5時限目まで学習して帰ってきているのに、家ではその10分の一も勉強していません。
当然、学校側は少しでも学力を維持してもらおうと、それなりの分量の課題を渡してくるのですが、親も子供もその量を図りきれておらず、気づいたときには大幅に遅れていました。
先日、課題の残量をGW終了日までの日数で割って、1日当たりの課題量を私が決定し、スケジュールにして取り組ませています。
ここ2日は何とか計画通りに進んでいますが、毎日チェックしないと進みが心配です。
……きっと、世の中の会社の上司も、在宅勤務が続くご時世で部下の仕事振りを同じように歯がゆく思っているのだろうなぁ、と感じた次第ですw
では、今週の1冊です。
予定では樺沢医師の本第3弾として、文章の書き方の本をご紹介するつもりでした。
ですが、よくよく調べておけば良かったのですが、内容がSNSに特化した本でした。
非常に有用ではあったものの、私自身が診断士試験に取り組んでいる目下、情報発信の手段をこのHP以上に広げるつもりがありません。
ですので、その本は試験終了後に再度読んで参考にすることとし、今回は別の1冊です。
本書は、「文章全般」にフォーカスした「書き方」の指南書です。
さすがに、基本の部分は私も理解しているつもりなので多くの部分は「復習」になりましたが、やはり新しい気付きはありました。
例によって、3つご紹介いたします。
例えば、「頭痛が痛い」や「日本に来日する」など、同じ意味を持つ言葉を重ねてしまう表現のミスです。
先程のように、間違いとして広く知られているものを誤用することはありませんが、自分自身気づかぬ内に使ってしまっていた二重表現が多くありました。
本書に記載されていた二重表現を列挙させて頂きます。
ちなみに、赤線部分は、私が使ってしまっていたモノです。
以後気をつけます。
ちなみに、以下の二重表現は、世間的に容認されているそうです。
難しいですねw
【容認されている二重表現】
〜 To Do 〜 |
知らずに使用していた二重表現を回避する。 |
まずは、本書で紹介されていた例文を引用いたします。
「①子育てに忙しいママでも、自分の強みを活かして、自宅で仕事をすることができます。」
「②私の知り合いに、趣味のケーキ作りが高じて、自宅でケーキ作りの教室を始めたママがいます。また、英語が堪能なある方は、自宅で子供向け英語教室を始めました。」
さて、上記の文章を読んだ感想はいかがでしょう?
①の文章は、「まぁ、そういうケースもあるでしょう」という感じですよね。
一方の②は、「そうか。で、何がいいたいの?」という感じではないでしょうか?
みなさんお気づきだと思いますが、実は①も②も、同じことを書いています。
①は抽象的な表現で、②は具体的に書いています。
抽象表現、具体表現、どちらか一方では、説得力に欠ける、とうことですね。
そこで、上記の2文を合体させます。
「私の知り合いに、趣味のケーキ作りが高じて、自宅でケーキ作りの教室を始めたママがいます。また、英語が堪能なある方は、自宅で子供向け英語教室を始めました。つまり、子育てに忙しいママでも、自分の強みを活かして、自宅で仕事をすることができるのです。」
このように、「具体+抽象」と書くことで、文章に説得力を持たせることができます。
また、「抽象+具体」で、順番をひっくり返してもOKです。
「子育てに忙しいママでも、自分の強みを活かして、自宅で仕事をすることができます。例えば、私の知り合いに、趣味のケーキ作りが高じて、自宅でケーキ作りの教室を始めたママがいます。また、英語が堪能なある方は、自宅で子供向け英語教室を始めました。」
このように、抽象表現と具体表現を組み合わせると、説得力が増す、ということが説明されていました。
書ける文章量次第ですが、これは覚えておきたいテクニックですね。
〜 To Do 〜 |
「抽象→例えば→具体」と「具体→つまり→抽象」のテンプレートをマスターする。 |
読者の興味・関心を引く文章テクニックのひとつに、具体的なエピソードから書き始める、というものが紹介されれいました。
本書での例文を引用します。
【原文】バイト代が入るのは毎月25日。給料日まで1週間を切ると、本格的な節約体制に入る。食費がその一つだ。
【修正文】食パンにマーガリンを塗るだけ。こんな味気ない夕食が、今日でもう3日も続いている。
同じ内容をこれから書く場合、原文より修正文の方が、グッと引き込まれますね。
「人はイメージしやすいものに興味を引かれる」という傾向を利用したテクニックだそうです。
他にも例文が書かれていましたので、引用させて頂きます。
このように、かぎカッコは会話文だけでなく、心情表現や「独り言」にも使えて、便利だそうです。
さっそく、今週のこのページは、このテクニックを利用して書き始めてみましたが、皆さんお気づきになりましたでしょうか?
来週以降どうするかは未定です。
でも、たぶんチョイチョイ使うことになると思います。
〜 To Do 〜 |
書き出し部分に具体的エピソードを入れて、引き付ける導入を書く。 |
文章の書き方の本を1冊読み切ったのは、お恥ずかしながら、初めてだったかもしれません。
本書には、もっと基本的な留意点や法則が多く説明されていましたので、ビジネスで文章を書くことが多い方は、一度手に取っても良いかと思います。
私に直接コンタクトできる人は、期限無期限で貸し出しもしますよw
次週は、本書の兄弟本「メールの書き方」です。
お楽しみに。
P.S.
先々週に学んだ読書感想文のテンプレートを使うようになってから、このアウトプットが、短時間で書ける上に以前よりまとまった文章が書けるようになった気がします。
やはり、アウトプット前提で読み込むと、効果が全然違いますね。オススメです!
〜 To Do 〜 |
1.知らずに使用していた二重表現を回避する。 |
2.「抽象→例えば→具体」と「具体→つまり→抽象」のテンプレートをマスターする。 |
3.書き出し部分に具体的エピソードを入れて、引き付ける導入を書く。 |