2018年8月3日 第1刷発行
著者:樺沢 紫苑
発行所:サンクチュアリ出版
【著者紹介】
精神科医、作家
1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。
SNS、メールマガジン、YouTubeなどで累計40万人以上に、精神医学や心理学、脳科学の知識・情報を分かりやすく伝え、「日本一、情報発信する医師」として活動している。
月に20冊以上の読書を30年以上継続している読書家。そのユニークな読書術を紹介した『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)は、15万部のベストセラーに。
その他、『いい緊張は能力を2倍にする』(文響社)、『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』(大和書房)など、28冊の著書がある。
(著者紹介より抜粋)
【オススメ度】 | |
読みやすい度 | ★★★★★ |
お役立ち度 |
★★★★★ |
実務面で参考になる度 |
★★★★★ |
ついに、緊急事態宣言が出されましたね。
各諸外国の情勢を見れば、遅きに失した感はありますが、取り敢えず深刻な事態であることを国民に知らせることだけは成功したのでしょう。
逆に言えば、それしか効能は無く、宣言自体も各知事と世論に押されて出さざるを得なかった、という印象ですが。
これから、補償の無い自粛やら経済活動の失速やらで、安倍政権は長くはもたないでしょうが、でも果たして代わりが務まる人がいるのでしょうか・・・。
なんだか、第一次安倍内閣が倒閣して民主党に政権が移った後と同じような事態が続きそうですね。
今回のコロナ対策のズルズル感や、当時の不景気継続と円高による経済収縮を考えてみても、自分の生活は自分で守る意識と対策が必要に感じますね、残念ですが。
ところで、診断士試験は7月11日の予定ですけど、予定通り開催できるのでしょうか・・・。
延長するに一票!(半分、個人的希望も含むwww)
では、今週の1冊です。
先週末、買い溜めていたビジネス書のストックが無くなってしまったので、BookOFFに仕入れに行きました。
(緊急事態宣言の前日で、ギリギリでした。)
その際、「インプット大全(著者、同じ)」を購入し、さっそく半分ほど読んだのですが、こちらが続編で、前編に「アウトプット大全」ががあると知り、大急ぎでAmazonで購入しました。
ということで、今週から3週間に渡り、樺沢医師の著作が並ぶ予定です。試験対策中でもあり、「インプット」「アウトプット」の本は非常に有用だと思い購入したのですが、試験対策以上に効果がありそうです。
今回は、自らの学びに繋がりそうな3項目(+その前に1項目)をご紹介致します。
本書では、アウトプットを「話す」「書く」「行動する」の3つに、対するインプットを「読む」「聞く」の2つに定義し、主にアウトプットについて具体的なスキルが説明されています。
その中の一つに「効果的な読書」が紹介されています。
突然ですが、皆さんは以下2事例のどちらが自身の向上に有用だと思いますか?
①1ヶ月で10冊のビジネス書を読破する。
②1ヶ月に3冊のビジネス書を読み、それぞれの読書感想文を書く。
・・・どうでしょう?
まぁ、皆さんのご想像通りだと思いますが、本書では「②:月3冊の読書と読書感想文」が推奨されています。
本書によると、月3冊のインプットとアウトプットを継続できているビジネスマンは、全体の20%に満たないのではないか?と書かれています。
「そんなにいるの?」と驚きつつ、取り敢えず自分もその中に入っていて、一安心しました。
で、本題ですが、本書には読書感想文のテンプレートが紹介されていました。
〜読書感想文のテンプレート〜
● 【ビフォー】 + 【アフター】 で書く
↓(細かく分解)
● 【ビフォー】 + 【気付き】 + 【To Do】 で書く
つまり、本書を読んだことでの気付きを挟んで、「読む前の自分」と、「読んだ後にする行動」を書くと、綺麗にまとまるそうです。
今までの私の読書感想文は、気に入ったフレーズや、若手・後輩に有用な情報を紹介するスタイルが主でしたが、しばらくこのテンプレートに従って書いてみようと思います。
これは、本書の中でも最大級に心に残った項目です。
私は、新しいことにチャレンジすることに、ハッキリ言って苦手意識を持っています。
職場の人からは、新しいことに果敢に挑戦する姿勢を評価頂くことも稀にありますが、ハッキリ言って、上司や先輩にくっついて挑戦しているだけで、私一人では新しい事には全然挑戦しません。
で、なぜ挑戦したがらないかを自分なりに考えてみると、やはり「失敗したくない」という気持ちが一番大きいように感じます。
一度経験していることであれば、自分の能力対比、成功する確率・失敗する確率が何となく分かります。
また、仮に失敗してもダメージが少ないようであれば、試してみることはあると思います。
しかしながら、新しいことに挑戦する時は、失敗の確率も読めませんし、失敗した時のダメージも分かりません。
ですから、新しい事への挑戦はなかなか出来ずにいました。
しかし、本書の中で、著者は「人生で失敗したことは一度もありません。」と、まるでテレビドラマの美人女医みたいな発言をしています。(『私、失敗しないので、』 的な。)
どういうことかと言うと、「この人生は『エラー』というコインを10枚集めれば、次のステージに進める、自己成長が出来る」と考えるということです。
そして、「うまくいかないこと」や「不本意な結果」は、「失敗」ではなく全て「エラー」だと捉える、と。
そうすれば、トライ⇒エラー⇒改善↗ トライ⇒エラー⇒改善↗ ・・・とサイクルを回すことで、自己成長が続き、いつかは成功する、と本書では記述されています。
逆に、失敗を恐れる人、トライしない人は、現状維持のままで成長することはない、と。
この考え方は、正に目から鱗、言われてみればその通りですね。
失敗を恐れるのではなく、まずトライする。
そして、その後にやってくる不本意な結果は、それを「失敗」として挑戦を止めるのではなく、「エラー⇒改善」と捉え、次のトライに繋げる。
そうすれば、確実に成長し、成功に近づく、というわけですね。
さっそく、今日からこの考え方を取り入れたいと思います。
〜 To Do 〜 |
毎週、「エラー⇒改善↗」を最低1つ見つける。 |
約2年前から国家資格の勉強を本格的に始め、自分なりの効果的な記憶方法も身に着けてきました。
特に手軽でオススメなのが、別ページにも記載していますが、「サンドイッチ記憶法」です。
これは、人間の脳は睡眠中に整理されるので、その性質を活用した記憶法です。
①寝る前に新しい過去問を解く
↓
②起きてすぐ、寝る前に解いた過去問を解く
こうして、睡眠の前後に同じアウトプットを実施するだけで、記憶の定着が格段に上がります。
しかし、本書では更に一歩進めたアウトプット法が紹介されていました。
それが、「2週間で3回以上アウトプットする」法です。
本書では脳科学的根拠も示されています。
脳に入力された情報は、まず「海馬」というところに仮保存されるそうです。
これは、「仮」の保存なので、2〜4週間で消えてしまうそうです。
ただし、この仮保存期間中に何度も使われた情報は、脳がその情報を「重要な情報」と判断し、「側頭葉」の長期記憶に移動するとのこと。
一度側頭葉に記憶されると、その記憶は忘れづらく、長期間覚えていることができる、という仕組みだそうです。
この項目を読んで、自分の経験則としても、確かに「2週間に3回以上」の頻度でのアウトプットが記憶定着には有効であるような気がしてきています。
現在、ちょうど診断士1次試験のインプットの山場で、7科目中4科目の通信講義が終了。5月からは「情報システム・経営法務・中小企業政策」と記憶力勝負の科目がやってきます。
この4月は前半4科目の記憶定着のために問題集をやりこんでいる時期なので、作成済のスケジュールを少し修正して、「2週間で3回アウトプット」方を試してみようと思います。
〜 To Do 〜 |
1次試験対策のアウトプットは、2週間で3回行う。 |
本当にやりたいことを優先するために、相手からの誘いやオーダーを断る。
日本人は断り下手とよく言われますが、皆さんはいかがでしょうか?
私は、周囲の方と比べても、割とハッキリNoを言う方ではないかと思います。
やはり、時間は有限なので、気乗りのしない仕事や誘いは断りたくなります。
また、時間に余裕があるからと、本来は断りたい事をOKしてしまうと、次回以降、同じ人からの同じ依頼は断りにくくなってしまいます。
ということで、「断る」こと自体は、比較的得意というか、苦手意識は無いタイプだと思っています。
では、何が気付きだったかというと、(1)断る際の「判断軸」、(2)断る際の「スピード」です。
(1)の判断軸ですが、今までの私は「自分にとって利があるか」が最大の要因だったように思います。
自分にメリットがあるか、あるいは、断った時のデメリットが大きいので受けた方が無難か。。。
どちらかを天秤にかけて判断していました。
それ故だと思いますが、(2)のスピードについても、お世辞にも「即断即決」とは言えないものでした。
なぜなら、上記のように、自分の利、もしくは将来の不利益、を予想して、両者を比べてからでは無いと判断できないので、断る際にも「え〜、そうですねぇ。それって、具体的には・・・」などど、情報を引き出しつつ判断する時間を稼いで結論を出していました。
ともすれば、「回答に数日お時間頂きます」と返し、別件と調整してから断る、なんてこともありました。
しかし、本書では、これは「やってはいけない断り方」とありました。
というのも、(1)判断軸がブレると、状況や依頼人によって答えが変わってしまい、公平感が無くなるので禍根を生む可能性がある、(2)断る際に悩みが生じると、「そこを何とか」と付け入られる恐れがある、ということです。
全く持って、その通りですね。
ではどうするかと言うと、「自分の人生の中での『優先順位』を決めておく」ということだそうです。
筆者の場合は、毎年12個の「年間目標」を立て、気が乗らない仕事の依頼が来た場合は、年間目標に沿っているか?という軸で判断しているそうです。
私の場合は、どのような判断軸で決断すべきか、今の時点では明確な解はありません。
ですので、まずはそこからTo Doにしようと思います。
〜 To Do 〜 |
今月中に、今年度の優先順位を決定する。 |
現在、診断士対策の合間に、週1冊のインプットとアウトプットを自身に課していますが、「こんな時間があるならもっと勉強に時間を費やすべきではないか?」という自問自答がありました。
しかし、兎にも角にも週1冊読んで感想文を書く、と決めていたからこそ、本書に出会い、また一つ成長する機会を得られたと、今回感じています。
であるならば、本質の問題は、読書+感想文が勉強の時間を浸食していることでは無く、そもそもインプットとアウトプットに時間が掛かり過ぎていた、ということだと気づきました。
今回、感想文のテンプレートを学びました。
今後の読書でも、最終的にこのテンプレートでアウトプットすることを前提に読み込んでいくことになり、
(1)読み終わってからアウトプットまでの間の「構想」の時間が短縮できる事、
(2)ただ読んだ本を紹介するのでは無く、気づき+To Doを明記することで、自分の行動自体を向上させる、
というメリットが期待できます。
「読書のページ」スタートから5ヶ月が経過したところですが、最低1年間は続けて行きたいと思います。
〜 To Do 〜 |
1.毎週、「エラー⇒改善↗」を最低1つ見つける。 |
2.1次対策のアウトプットは、2週間で3回行う。 |
3.今月中に、今年度の優先順位を決定する。 |