2013年4月2日 第1刷発行
著者:遠越 段
発行者:野村 直克
発行所:総合法令出版株式会社
【著者紹介】
東京生まれ。早稲田大学法学部卒業後、大手電器メーカー海外事業部に勤務。
1万冊を超える読書によって培われた膨大な知識をもとに、独自の研究を重ね、難読とされる古典を現代漫画をもとに読み解いていく手法を確立。
著書に『スラムダンク武士道』『スラムダンク論語』『スラムダンク孫子』『スラムダンク葉隠』『ザッケローニの言葉』『ワンピースの言葉』『ソロの言葉』『ウソップの言葉』『桜木花道に学ぶ”超”非常識な成功のルール48』『20代のうちに知っておきたい読書のルール23』『世界の名言100』がある。
(著者紹介より抜粋)
【オススメ度】 | |
読みやすい度 | ★★★★☆ |
お役立ち度 | ★☆☆☆☆ |
スラムダンク読みたくなる度 | ★★★★★ |
2020年最初の更新です。
みなさま、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
今年こそ、中小企業診断士の資格試験に合格すべく、心機一転、試験対策に励んで参ります。
では、今週の一冊です。
年末に家で読むのに丁度よい難易度の本が良いなぁと思い、中学生の頃にハマリまくった「スラムダンク」関連の本にしました。
言わずと知れた、あの安西先生が主人公です。
安西先生が作中で見せてきた様々な言動を通して、コーチングを学ぶという趣旨の本です。
読んでみた感想ですが、以下2点を理由に、コーチングの本としての完成度は正直「?」です。
1.そもそもスラムダンクに精通していないと、内容自体が理解しにくい。
2.スラムダンクに精通していると、懐かしむことが出来て良い。但し、時系列で論じられているので、コーチングを体系的に学べない。安西先生を中心にした本編の回想について、コーチングの知識を用いると「このように捉えることができる」という説明が書かれていて、その説明自体は「ふ〜ん、そういう考え方もあるか」と思うが、後の学びに活かせない。(多分に、私のコーチングに対する知識不足が原因かとは思いますが)。
ということで、大きな学びには繋がりませんでしたが、最後の山王工業戦での「左手は そえるだけ」の一言で決勝点を決めた桜木のジャンプシュートまで描かれており、久々にムネアツでした!
そこで、安西先生の、素朴で何気ない一言が、実はコーチング的にすごい一言であったという意味で驚かされた一言をご紹介します。
(興味の無い方、スラムダンクを読んだことが無い方は、読み飛ばして下さい)。
最終回で決勝点を挙げる花道のジャンプシュートは、夏休みの合宿で身に着けたものでした。
それも、チームメイトは全員他校との練習試合合宿に行っている間に、安西先生とのマンツーマンで「お留守番」で自校の体育館での練習でした。
その内容とは、1日2万本のシュート練習という過酷なものでした。
始める前こそ、「2万で足りるのか?」と大口を叩いていた花道でしたが、やはり夏の体育館での地味な反復練習は厳しく、途中で力尽き、床に寝ころび、立ち上がることが出来ずにいました。
ここで、私だったら、花道に何を話してやる気にできるか考えてみました。
シュート練習の重要性を説く?
最初に約束したじゃないですか?と、約束したことを持ち出す?
少し休ませて、気分転換をさせる?
今日の2万本が達成できたら、なにかご褒美をあげる?
・・・私の頭で思いつく対応は、こんなところです。全然ダメですね。
安西先生のとった言動は、明後日の方向を向いて、次の言葉をつぶやく でした。
「みんなは今頃、強豪・常誠相手に闘ってるでしょうね。勝ってるかな・・・」
すると桜木は、ライバルである流川も努力していることを思い出し、「おらおら、おめーら、いつまで休憩してるんだ?ほらほら、始めるぞ!」と、やる気を取り戻し前向きに取り組み始めました。
花道の性格と、流川というライバルへの対抗心・向上心を分かった上での一言。
安西先生らしい、実に巧みな一言です。
コーチングの基本である「相手を良く知る」「相手のやる気を引き出す」のお手本のような場面です。
実際に行うには非常に難しいと思いますが、是非、実際の子育てや部下指導で実現したいなと思います。