2019年11月3日(日)

 

記念すべき1冊目は、やはりコレです。

2006年12月10日 第1刷発行

 

著者:西田文郎

 

発行者:押鐘太陽

 

発行所:株式会社三笠書房

 

【著者紹介】

1949年生まれ。

日本におけるイメージトレーニング研究・指導のパイオニア的存在。

70年代から科学的なメンタルトレーニングを始め、大脳生理学と心理学を利用して脳の機能にアプローチする画期的なノウハウ「スーパーブレイントレーニングシステム」を開発。

79年、能力開発研修室サンリを設立。

現在、(社)日本能率協会、(社)中部産業連盟、日本経営合理化協会などで指導に当たるほか、企業の社員教育や潜在能力開発セミナーの講師としても指導に当たっている。

特に、経営者の勉強会として開催している「西田塾」には、これまで数千人の経営者が参加。

ビジネス界において多大な成果を上げている。

(著者紹介より抜粋)

 

【オススメ度】  
読みやすい度 ★★★★☆
お役立ち度 ★★★★
人生変える度 ★★★★★

私がこの本に出合ったのは、2017年8月でした。

 

当時は大阪に赴任(左遷?)しており、毎日17時頃に帰れる代わりに年収が8割以下になっていた時期でした。

 

当時の境遇と会社に文句を言いながらも、特別なことを何もしないで不満と不安ばかりつのる毎日でした。

 

そんな中、Amazonプライム会員が当時は無料で使えたオプションの一つ「Amazon Audible」で何気なく聞き始めたタイトルの一つが、西田文郎先生の「 No.1理論」でした。

 

本の内容に非常に衝撃を受け、自分が今までどんなに甘えた考えで生きていたのかを痛感し、その後の「努力を継続する生き方」へシフトするキッカケになりました。

 

本の内容は、脳科学と様々な実績を背景にした説得力のある示唆に富んでおり、全てをご紹介したいところです。

 

しかし、それでは本をそのまま書き写し、著作権に違反する前代未聞のページになってしまいます。

 

そこで、私が本当に感銘を受けた示唆を3つご紹介致します。

〜ニセのプラス思考と、ホンモノのプラス思考の違い〜

プラス思考というと、誰もが「仕事を成功させたい」「次の大会で優勝したい」「幸せな家庭を築こう」といった考えが浮かぶのではないでしょうか。

 

しかし、このような願望型の思考」は、ホンモノのプラス思考ではありません。

 

なぜなら、「〜〜したい」「〜〜できればイイな」の思考の裏には、「そうは言っても難しいかも」「できればイイけど、厳しいよね。」という、マイナスの思考があるからです。

 

ホンモノのプラス思考というのは、

「この仕事は成功する確信がある」

「次の大会は優勝するに決まっている」

「既に幸せである」

というように、既に成功しているという確信を持つ思考です。

 

脳がこのような状態になり、プラスの思考だけではなく、その場のイメージや感情が伴って脳が「ウキウキワクワク」する状態が、ホンモノのプラス思考である、と著者は述べています。

 

私は、会社に就職した1年目の新人研修から、「プラス思考が大事」と飽きるほど教えられてきました。

 

しかし、「既に成功出来てしまい、ウキウキワクワクな状態」のホンモノのプラス思考については初めて触れ、同時に、妙に納得したことを覚えています。

 

脳が不快な状態で無理やりに「プラス思考」な発言をしても、感情が付いてこなくて、「やっぱり自分の本質はマイナス思考なんだな」と思ったことは何度もあります。

 

逆に、「ゾーンに入る」ような極度の集中状態では、寝食を忘れて一つの仕事に集中して、それがキモチイイものです。

 

(人生に数回しか味わったことがありませんが。)

 

今では、何か物事を始める際には、まず「自分には、必ず出来る」と口に出して、「もしかしたら出来ないかもしれない」というマイナス感情を持たない状態を作るようにしています。

 

そして、マイナスな感情が発生したら、「でも、だからこそ、これを完了した際にはやりがいが増える!」と自分に言い聞かせ、マイナス面をプラスに転じてしまいます。

 

意識するだけで簡単にでき、効果はバツグンです。オススメですよ。

〜成功する時間、場所をイメージする〜

ホンモノのプラス思考とこの理論を合わせると、素晴らしい効果が期待できます。

 

「〜〜できたらいいな」の願望型をやめ、「〜〜できるに決まっている」という思考に切り替えて、それが達成した際の「時間」「場所」「自分の感情」「周りの人の反応」を具体的にイメージするのです。

 

オリンピック選手が、表彰台で金メダルを授与される自分をハッキリと想像することが重要だと話していることを聞いたことがありませんか?

 

これは、スポーツの世界に限らず、我々ビジネスマンにも共通して言えることです。

 

「プレゼンが成功して、取引先の社長に褒められている自分」

 

「これまでのセールスが実って、新規契約を獲得した自分」

 

「社内で評価され、昇進を告げられている自分」

 

どんな姿でも良いので、季節・場所・相手・自分の服装・周りの音などなど。。。

 

ハードルが高い物事に取り組む際には、まずは成功した自分の姿を具体的に想像してみましょう。

 

私は、今回の診断士試験に際して、「未来日記」をつけました。

 

10月20日「2次試験当日」

と、

12月6日「筆記試験合格発表日」

 

恥ずかしすぎて他人には見せられないので、ここでは晒しませんが、勉強に心が折れそうになるたびに読み返し、やる気を挙げていました。

 

そもそも、「未来日記を書く」という行為自体が勇気がいることです。

 

いくらオリンピック選手が実践しているからと言っても、心理的抵抗がありました。

 

しかし、実際に書いてみると胸が高鳴り、体温が向上し、「ウキウキワクワク」してくる高揚感をハッキリ感じました。

 

大きな目標に立ち向かうときには、参考にして頂きたい一例です。

〜短期目標のワナ〜

ホンモノのプラス思考をもって、未来日記も書いて、「ヨシ、やるぞ!」となる際に、一つ注意して頂きたいことがあります。

 

それが、著者が指摘する「短期目標のワナ」です。

 

著者は、ビジネスマンであれば「1ヶ月の売上目標」、受験生であれば「東大合格」「灘高合格」、若い女性の中で「今年は赤ちゃんを産もう」といった目標もあると例を挙げています。

 

こうした目標は、一・二ヶ月から、長くても一年〜二年スパンでの目標です。

 

このような短期目標のみを掲げて努力をすると、仮に達成できなかった時に、大きな挫折感を味わいます。

 

また、達成できたとしても、そこで燃え尽きる「バーンアウト状態」となり、その後は抜け殻状態になって何の努力も出来なくなってしまう危険性もある、と著者は指摘しています。

 

ではどうすべきかというと、まずは人生の長期目標を掲げることです。

 

「課長になろうと生きている人」はたくさんいますが、「課長になるために生まれてきた人」はいません。

 

自分の進むべき長期目標を掲げて、そこに到達するための短期目標をステップ感に合わせて設定していくのです。

 

そして、長期目標は決して下げない。

 

代わりに、短期目標は、その時の状況に応じて臨機応変に変えていけば良いのです。

 

私は、中小企業診断士の合格を一つの短期目標として掲げましたが、これをゴールとはしていません。

 

実際、未来日記は10年後のものまで作成しています。

 

今回の合格は確信していますが、合格できなかったら、別の方法を試すまでです。

 

短期目標の結果に左右されず、泰然とした態度で目標に向かって歩んでいきたいものです。


2009年12月7日 第1刷発行

 

著者:島田 精一

 

発行者:境 健一郎

 

発行所:株式会社かんき出版

 

【著者紹介】

1937年生まれ。

東京大学法学部卒業後、三井物産株式会社に入社。

ナポリ大学留学。

イタリア三井物産、メキシコ三井物産副社長、ハーバード大学経営大学院(AMP修了)。

その後、三井物産取締役情報産業本部長になり、当時、毎年数十億円の赤字を出し、社内でゴミ捨て場の埋め立て地に例えて「夢の島」と呼ばれていた部署を、持ち前の明るさで軌道に乗せる。

その間、出社拒否症にもなるほど苦しんだ貴重な経験を持つ。

2000年、同社の代表取締役副社長CIOに就任。

2001年、日本ユニシス社長就任、2007年に住宅金融支援機構理事長に就任。(著者紹介より抜粋)

 

【オススメ度】  
読みやすい度 ★★★★★
お役立ち度 ★★★
勇気を貰える度 ★★★★★

私がこの本にであったのは、社会人4年目で初の転勤を経験した赴任先である大阪時代(2010年)です。

 

当時、筆頭の課長代理の後任として抜擢を受け、意気揚々と着任しました。

 

しかし、一ヶ店目の支店では、新人であったこともあり、たくさんの先輩や同僚の支援を受けて、いわゆる「かわいがってもらっている」状態でした。

 

自分の実力が大したこと無い状態で、カンチガイして2ヶ店目にいったものですから、周囲の期待からは大きく下回った状態でのスタートとなり、当然のように周囲に迷惑を掛けました。

 

支店内でノルマが達成できないのが自分だけという状況が長く続き、最初は気さくであった同僚や後輩とも上手くいかない日々が続きました。

 

そんな折、社外の方を招く勉強会で登壇された講師が、著者である島田精一先生でした。

 

著者の本の言葉を励みに、尽きかけたモチベーションを少しずつ蓄え、大阪時代を無事に乗り切ることができました。

 

このページを書くにあたり、数年ぶりに読み返しましたが、やはり良い言葉が綴られています。

 

自身の座右の銘にもなっている言葉もあります。

 

この1冊の本に80以上の名言が書かれ、その言葉の真意を著者が説明する形式の本になっています。

 

今回は、特にお気に入りの4つをご紹介致します。

【真剣にやると知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。やる気がないと言い訳が出る。】

私が部下を指導する際に、よく使わせて貰っている言葉です。

 

経験値が浅い社員では、成功体験や知っている事例が少なく、人脈も狭いため、成功に至るプロセスを思い描く際に、どうしても選択肢が少なくなってしまいます。

 

つまり、やれる方法を考えてもらっても、すぐに「無理です。そもそも・・・」と言い訳が始まってしまいます。

 

部下を指導し始めた当初は、理論で諭したり、精神論で努力させてみたりと色々やりましたが、最近では、まずこの言葉を伝えています。

 

クイズ形式にして、「やる気がないと言い訳が出る。中途半端だと愚痴が出る。では、真剣にやると何がでると思う?」などと言っています。

 

余談ですが、これで「ガッツですか?」「根性ですか?」「適切な助言ですか?」と色々出てきますが、その人が成功するために重要だと感じていることが出てきて、パーソナリティが分かって興味深いものです。

【出る杭は打たれる。しかし、打たれて打たれ強くなる。出ない杭は腐るだけだ。】

私はプライドと反骨精神が高いとずっと言われてきました。

 

大阪時代は、20代後半で気位が高く、様々な人に暗に明に諭されてきました。

 

一時期、あまりに苦言が多く、「だったら、目立たなければ良い」と考え、あらゆる場面で個を出すことをやめました。

 

一時的には苦言は減ったものの、結局、営業数字は上がらず、少なからずいた味方も減り、孤独でつらい時期を経験しました。

 

その時に触れたこの名言は、自分の明るさを取り戻してくれた「恩人」です。

【リスク無きところに利益無し】

現在、私は銀行のプロダクトを提案する仕事を中心にしております。

 

一方で、顧客本位の新プロダクトの開発も複数進めており、上席と一緒に日々新スキームのアイディア出しと実現方法の検討を進めています。

 

私の上席は業界経験が長く、様々なアイディアを矢継早に出しますが、私は

「それはこのようなリスクがある」

「それはこの部分が困難ではないか」

と、浅い知識ながらリスクを明示していました。

 

そんな折、この本を読み返していて、頭をガツンと叩かれた気がしました。

 

私を含めですが、最近の20代〜30代は、リスクを取りたがらないと言われています。

 

自分自身は「そんなことは無い」と言い返すのですが、冷静に自分を見つめてみると、利益を取ることよりリスクを回避する傾向があるように反省します。

 

無鉄砲に利益一辺倒になるわけにはいきませんが、適正なリスクを取りに行く姿勢を忘れないようにしたいものです。

【すぐやる、必ずやる、出来るまでやる】

短く、簡潔な言葉ですが、非常にインパクトの強い言葉です。

 

年齢や職業を問わず、普遍的に適合する言葉ではないでしょうか。

 

京セラの稲森和夫氏の著書にも

「京セラの開発成功率は100%です。なぜなら、完成するまで決して諦めないからです。」

という言葉が登場します。

 

すごく勇気をもらえる言葉です。

 

胸に秘め、同僚や部下にも伝えていきたいと思います。


2019年9月2日 第1刷発行

 

著者:上岡 正明

 

編集統括:柿内 尚文

 

発行所:株式会社アスコム

 

【著者紹介】

日本脳科学認知心理協会理事。

株式会社フロンティアコンサルティング代表取締役社長。

多摩大学大学院情報経営学科終了(MBA)。

1975年生まれ。

放送作家を経て27歳でマーケティングのコンサル会社を設立。

従来の速読方によってビジネススキルの向上を目指すもその効果に疑問を抱き、脳科学的なアプローチから「高速読書」を考案して実践。

1日1冊読めて、記憶に定着する高速読書を15年間続けている。

(著者紹介より抜粋)

【オススメ度】  
読みやすい度 ★★★★
お役立ち度 ★★
目が疲れる度 ★★★★

 


Amazonで本の物色をしていたところ、「あなたにオススメ」で紹介された本です。

 

従来の速読には懐疑的だったのですが、同様に従来の速読に疑問をもった著者が書いた本ということで、読んでみました。

 

この本自体は非常に読みやすく、1時間以内に3周できました。

 

自身に置き換えてこのスキームを適用できるかは、「読む本の内容による」といったところですね。

速読を3回繰り返す

1冊につき、

最初は15分で1周、

2回目は10分で1周、

最後に5分で読み、

合計30分で1冊を読破するというスキームです。

 

また、1回目は気になったページをドッグイヤー(ページの端を折る)をし、

2回目は青ペンで気になった文に線を引いたり書き込みを実施、

3回目は青ペンの部分を中心に読み切る手法が紹介されています。

 

試しにこの本を速読したところ、30分では難しかったですが、1時間で3回読みきれました。

 

ただ、以下の要因で、自分には向いていないなぁと思います。

 

1.電車内で速読をすると、電車の揺れと目の動きのせいで、目眩がする。

 

2.本の保管場所に制限があるので、読み終わりの本が溜まったら、近所の図書館か古本屋に持ち込むため、ドッグイヤーや書き込みを避けたい。

 

要は、貧乏性だということです(苦笑)

簡単な本には効果的

簡単な自己啓発本自身の専門分野の本であれば、3周速読法は有効だと思います。

 

しかし、新たな分野の知識を身につけようとする読書の場合は、速読で何周してもさっぱり理解できず、普通のスピードで読みました。

 

事前知識の有無が、速読の精度に大きく関わってくると思います。

 

ただ、速読の能力は是非身に着けたいスキルの一つなので、今後も意識して取り組んでいこうと思います。