『小が大を超えるマーケティングの法則』

2012年2月24日 第1刷発行

 

著者:岩崎 邦彦

 

発行者:金子 豊 

 

発行所:日本経済新聞社

 

【著者紹介】

1964年生まれ。静岡県立大学経営情報学部教授・地域経営研究センター長。

上智大学経済学部卒業、上智大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得。国民金融公庫、東京都町、長崎大学経済学部助教授などを経て現職。専攻はマーケティング。主な著書に、『都市とリージョナル・マーケティング』などがある

(著者紹介より抜粋)

 

【オススメ度】  
読みやすい度 ★★★★★
お役立ち度

★★★★★

自分と友人の開業に使える度

★★★★★


今回は番外編です。

 

中小企業診断士の2次試験の主任監督員(であると噂されている)岩崎邦彦先生の代表著書である、『小が大を超える マーケティングの法則』です。

 

診断士試験に合格するために、と読み始めたのですが、非常に有用な本です。

 

実際の中小企業や消費者へのアンケート、および調査を基にした結論で構成されていて、分かりやすい上に、「地に足のついた」本になっています。

 

単に、頭でっかちな「センセイ」が自らの理論を振りかざした学術論文(とは言い過ぎかもしれませんが・・・)とは、説得力と切れ味が違います!

 

自分が独立する時にも、必ず読み直して参考にすると思います。

 

今回は、大事な友人が開業を考えているとのことで、本書の中でも更に重要な部分を抜粋して、自分なりに解説した、特別編でお届けします。

 

Mさん、一緒に頑張りましょうね!

 

全部で10項目と長丁場ですが、良書の中から更にポイントを絞っていますので、相当有用ですよ!(笑)

 

さっそく、いってみましょう!

 


〜1:「マーケティング」とは何か?〜

このページはマーケティングの専門知識を紹介するページでは無いので、あまり突っ込んだ記載はしません。

 

とはいえ、これから「マーケティング活動」を実施していくのですから、やはり簡単に整理しておいた方が良いですよね。

 

だって、これから自分自身でやろうとしている活動なのですから。

 

では、早速一つご質問。

 

「マーケティング活動」って、具体的には何なんでしょう?

 

 

 

ダラダラやってもしょうがないから、答え行きますね。

 

英語で書くと、Marketing。つまり、「Market」+「ing」ですね。

 

日本語にすると、「市場(いちば)」+「ing」⇛市場っている!

 

……

 

ちょっと何言ってるか分かりません。。。(サンドイッチマン風)

 

では、「市場」を分かりやすく「お客さん」と言い換えてみましょう。

 

「お客さん」+「ing」⇛お客っている!

 

もう一息ですね。

 

ingは「現在」ってことですね。

 

じゃあ、マーケティング活動は、「現在、お客さんを抱えている」状態にする活動ですね。

 

つまり、「お客さんを創造する」活動。

 

新しいお客さんを生み出す活動ですね。

 

あと、もう一つ、重要な点。

 

わかります?

 

「今いるお客さんを、これからもお客さんでいてもらう」活動。

 

そう、マーケティングの活動って、この2つなんです。

 

1.新規のお客さんを獲得する活動

 

2.今いるお客さんを、これからもお客さんでいてもらう活動

 

まずはこのことをしっかり頭に入れましょう!

 

ポイント

マーケティングとは、顧客の「創造」と「維持」の活動である。


〜2:消費者は「価値」を買う〜

それでは、お客さんは「何」を買うのでしょう?

 

これも、さらっと行きますね。

 

例えば、口紅。

 

私は買ったことありませんが。

 

だいたい、1本3,000円くらいですかね。

 

ところで、口紅の原材料ってご存知ですか?

 

実は、「クレヨン」とほとんど同じなんですって。

 

じゃあ、クレヨンっていくらなのかというと、30本入りで100円(@100円均一ショップ)

 

1本は3円ですなあ。

 

じゃあ、クレヨンって3円で、口紅って3,000円。

 

実に1000倍も違いがある。

 

なんでこれで商売が成り立ってるのか?

 

ここに答えがあります。

 

口紅を買ってる人って、「香料と油と色素と金属の筒で出来た、色を付ける道具」を買ってるんじゃあないんです。

 

「美しさ」を買ってるんですね!

 

だから、有名女優を使って商品自体のイメージを高めて、他のブランドとの差別化を図って・・・

 

商品の持つ「美しさ」というイメージを、化粧品メーカーは一生懸命高めてるんです。

 

この、お客さんは「価値」を購入するということ、絶対に忘れてはいけません。

ポイント

顧客は「価値」を購入する。


〜3:緑茶の価値は何か〜

 

はい、突然ですが、本書の筆者である岩崎先生は静岡県に住んでいらっしゃいます。

 

静岡県といえば??

 

・・・

 

イメージランキング1位は、やっぱり「お茶」だそうです。

 

(ちなみに、2位は「富士山」だそうです)。

 

でも、静岡でもお茶の売上ってだんだん下がってるんですって。

 

で、岩崎先生は静岡のお茶屋さんにマーケティングのコンサルをしたんですね。

 

ここから先は、その結果です。

 

メチャ納得ですよ!

 

まず、先生は以下の質問を、静岡の人にしてみました。

 

急須で飲む緑茶と言えば、 _______である。

 

さあ、皆さんは何と書きますか?

 

まず、静岡のお客さんの答えの前に、静岡の「お茶屋さん」の答えを発表しましょう。

 

お茶を売っているお茶屋さんは、何と書いたでしょう?

 

答えはコチラ。

1.茶葉              
2.カテキン   
3.健康  
4.渋い  
5.静岡  

 

 

それっぽいですね~。

 

では、静岡のお客さんが何と書いたか?

 

自由記載方式なのでバラバラな答えになったかと言えば、意外や意外。圧倒的に多くの人が共通してあげた言葉があったそうです。

 

それは、

 

「一息」「くつろぎ」「安らぎ」「リラックス」という言葉。

 

逆に、回答者789人の中で、お茶屋さんが1位に挙げた「茶葉」と回答したお客さんは、わずか2名だったそうです。。。

 

 

 

ということは、お茶屋さんが「茶葉」や「カテキン」や「渋さ」をどんなにアピールしても、意味なくないですか?

 

だって、お客さんはそれを求めていないのですから。

 

そもそも、最近のお客さんは「売り込まれる」ということを嫌います。

 

(私もそうなので、よく分かります)。

 

だとすると、お茶屋さんは「茶を売る」商売、「茶の良さを伝える」商売ではダメですね。

 

「安らぎ」や「ホッと一息」を提供する、「リラックス・ビジネス」にならなければいけません。

 

これこそ、マーケティングの、いや、商売の基本。

 

自分がお客さんに求められている「価値」を、自分自身が理解する。

 

 

 

さあ、「あなた」は、お客さんに何の「価値」を求められていますでしょうか?

ポイント
顧客が自分に求める「価値」を理解する。

〜4:なりたい姿は?~

 

 

自分がお客さんに「どんな価値」を求められているのか?

 

これを考えるにあたり、まずは決めなければいけない事があります。

 

それは、「自分がなりたい姿」です。

 

例えば、喫茶店を開く時。

 

一口に「喫茶店を経営する」と言っても、その目指すべき姿は千差万別でしょう。

 

ただ、まずは大まかに決めるべき二択があります。

 

それは、

 

「大きなチェーン店を生み出す」のか、

 

「自分ならではの専門店とする」のか、

 

です。

 

例えば、マクドナルド。

 

あるいはスターバックス。

 

これらのチェーン店に対して、「いつかは抜いて、日本でのシェアNo.1を目指す!」というなら、そういう攻め方があります。

 

アイディア勝負で資本力のある企業の傘下に入り、一気に何十店舗も展開し、テレビCMで知名度を上げ、老若男女どんな顧客層が来てもある程度満足できるメニューを揃え、且つ価格を抑える。。。

 

チェーン店として一大ブランドを確立するなら、このような攻め方が必要です。

 

逆に、自分独自の特色で良い店を作るのであれば、上記とは真逆の選択をする必要があります。

 

「どんな顧客層でも相手が出来る、バッチリな品揃えでメニューを充実させる」はダメです。

 

それは、大手のやり方です。

 

その逆を行く。

 

つまり、「引き算」の考え方です。

 

あるいは、「絞る」戦略です。

 

では、何を「絞る」のか?

 

それは、「強み」と「核(シンボル)」と「知恵」です。

 

これから、順番に解説していきますね。

 

ポイント
まず、チェーン店か専門店か、目指す姿を決める。

〜5:強みを絞る~

では、強みを絞るためにはどんなアプローチが必要でしょうか?

 

こちらを分かりやすく解説するために、まずは一つ質問させて下さい。

 

例えば、みなさんが、パン好きの友人が久々に訪ねてくるというので、近所にあるパン屋にもてなしの品を買いに行くとします。

 

近所に2店舗あるのですが、どちらのパン屋に行きますか?

 

A

こだわりのパンを売る店
B こだわりのパン・菓子・清涼飲料水・食料品を売る店 

 

私なら、Aにします。

 

だって、スーパーマーケットのように、「ついでに色々買おう」とは思ってなくて、「美味しいパンを買おう」と思っているんです。

 

だから、お店の中に色々置いてある店舗より、「こだわりのパン」だけを揃えてるお店の方が良さそうじゃないですか?

 

実際、本書で紹介されている消費者へのアンケートでも、以下のような結果になったそうです。

 

A店・・・・・・・・・・79%

 

B店・・・・・・・・・・8%

 

どちらも同じ・・・13%

 

冷静に考えれば、A店もB店も「こだわりのパン」を売っているので、どちらに行っても良さそうです。

 

むしろB店の方が、「こだわりのパン」のついでに、「こだわりのジュース」や「こだわりのお惣菜」も買えそうな気がしますよね。

 

それでも、A店を選ぶ消費者が大多数だということ。

 

これが、「強みを絞る」力です。

 

ポイント
強みを明確に絞る。

〜6:核(シンボル)を絞る~

さて、「強みを絞る」と書きましたが、早速、以下のような反論が聞こえてきそうな気がしています。

 

「現実的には、名物が一つだけあったって、それだけでは商売にならない」

 

「推しポイントや強みは、少ないよりも多い方が良いに決まってなくない?」

 

ホント、そうですよね。

 

僕も本書を読みながら同じ事を思いました。

 

で、本書の憎いところなのですが、すかさず次の例示が紹介されています。

 

質問。

 

以下の空欄に言葉を続けて下さい。

 

 

シンガポールといえば、 _________________________。
マレーシアといえば、 _________________________。 

 

 

アンケート結果の答えを発表する前に、簡単に事実だけをおさらいしておきましょう。

 

シンガポール

広さ:721k㎡(東京23区と同じくらいの広さ)

世界遺産:1つ

 

マレーシア

広さ:33万k㎡(ほぼ日本と同じ広さ、シンガポールの3000倍)

世界遺産:4つ

 

ということで、スペックでは、マレーシアの圧勝です。

 

普通に考えれば、勝負になりません。

 

では、先程のアンケートの答えです。

 

 

 

シンガポールと言えば

 

1位:マーライオン 50%

 

(2位以下省略)

 

マレーシアといえば

1位:とくにない 15%

 

(6位になぜか「マーライオン」)

 

という、マレーシアにとっては悲しい結果だったそうです。

 

 

あわせて、「どちらに旅行に行きたいか?」のアンケート結果もあります。

 

観光に行くとするなら、どちらの国に行きたいか?

 

 

シンガポール:49%

 

どちらともいえない:35%

 

マレーシア:16%

 

 

「マーライオン」という、核(シンボル)の影響力がよく分かる結果になっています。

 

さらに、もう1事例紹介されています。

 

今度は、駅弁ランキングです。

 

東海道新幹線の各駅から、代表的な駅弁の人気ランキングが開催されたそうです。

 

岩崎先生の地元、静岡駅からは、

 

【茶めし、ワサビ漬け、鶏の照焼き、桜えびのかき揚げ、卵焼き、ふき・かぼちゃ・レンコン・芋の煮物、焼きカツオ、黒はんぺん、茶まんじゅう、石垣いちご】

 

ということで、静岡の特産品を「これでもか!」というくらい詰め込んだものだったそうです。

 

ですが、結果ランキング外。。。

 

1位は

 

「特選小鯖押し寿司」(小田原駅)

 

2位は

 

「びっくりみそかつ」(名古屋駅)

 

だったそうです。

 

どちらも、「小鯖」「みそかつ」の一本勝負です。

 

やつぱり、まずは推しとなる「シンボル」が重要になるということが、伝わりましたでしょうか?

 

ポイント
シンボルとなる「イチ推し」を作る。

〜7:知恵を絞る~

ここまで強気に言っておいて、じゃあ、「メッチャおいしいコーヒー一品だけ出してれば、喫茶店は成功できるのですよね?」って、当然、そんなワケないです。

 

商売がそこまで単純なら、僕だってサラリーマンやめてコーヒー淹れてますよ(笑)

 

ここからが、皆さんの腕の見せどころです。

 

まず知っておいてもらいたいのが、シンボルの効果は「ハロー効果」であるということ。

 

「ハロー効果」とは、簡単に言うと、「一つのモノが良く見えると、他のモノもきっと良いのだろうな」と、良い意味で先入観を持ってもらえることです。

 

例えば、「メチャメチャ美味しいロールケーキで有名なケーキ屋さんは、苺ショートもチョコケーキも美味しいんだろうな」

 

とか、

 

「こだわりのドイツビールを売りにしているバーなら、メニューにあるウイスキーやワインも良いモノを揃えているのだろうな」

 

とか、そういう感じのことです。

 

 

ですから、シンボルを決めてそれを「推し」にしたならば、「関連して、他のモノも良いだろう」と思ってもらえる品を揃えるのが大事です。

 

・・・と、簡単に書いていますが、「じゃあ、どう揃えるのが良いのよ!?」って感じですよね?

 

そこで、またまた、お茶屋さんに登場してもらいましょう。

 

 

下に、緑茶を核(シンボル)とするお店が3つあったとします。

 

皆さんは、どのお店から緑茶を買いたいですか?

 

A店 緑茶、しいたけ、海苔を取り扱う店
B店 緑茶、コーヒーを取り扱う店
C店  緑茶、和菓子を取り扱う店 

 

私は、C店です。

 

全国1000人消費者調査の結果は、以下の通りだったそうです。

 

A店・・・19%

 

B店・・・14%

 

C店・・・67%

 

でもですね、日本で一番多いお店の形態はA店、次がB店、一番少ないのがC店なんですって。

 

じゃあ、A店の「お茶、しいたけ、海苔 」の共通点って、皆さん分かります?

 

実は、「水分を含まないように空気の乾燥に気を付けて、他の品の移り香を予防する」というノウハウが必要な商品なんです。

 

つまり、「売るお店の理屈で、一緒に売ると都合が良い」組み合わせなんです。

 

逆に、C店みたいに、お客さんにとって親和性が高い組み合わせって、店にとってはメンドくさいことが多いんですね。

 

だって、お茶のプロは和菓子のプロじゃあないんです。

 

和菓子に関しては、お客さんと同じく、素人同然なんです。

 

だからこそ、他のお茶屋さんもがやりたがらない。

 

そこに差別化のチャンスが生まれるというわけ。

 

 

それなら、「あなた」は何と何を組み合わせれば良いのでしょうか?

 

そここそが、「知恵」を絞るべきポイントです。

ポイント
知恵を絞って、シンボルとその他商品との最適な組み合わせを考え、差別化を図る。

~8:差別化の方向性~

急に差別化って言われてもね、難しいですよね?

 

でもですね、ここに関しては、運営主体である「あなた」が一生懸命考えて悩み抜いて生み出したものじゃなきゃあ、意味がないんです。

 

悩み抜いて、覚悟を決めて、「これで行く!」と決めた組み合わせ。

 

だからこそ、開業した後も踏ん張れるし、「違うかな?」と感じた時に、自分自身で修正ができます。

 

とはいえ、一人の考えだけでウンウン考えてても難しいですよね。

 

我々のような第三者だからお伝えできる、考え方のヒントがあります。

 

それは、「一つのモノサシでは考えない」ということです。

 

例えば、「価格」。

 

あとは、「メニューの数」とか、「大きさ・量」とか。

 

そのような、「数えられるもの」での勝負は避けた方が良いです。

 

なぜなら、真似されやすいし、他社との比較が簡単だからです。

 

逆に、「落ち着いた雰囲気」とか、「南国の気分を味わえる」とか、「こだわりのJAZZが流れてる」とか、「ミステリー小説がメチャメチャある」とか、そういうのは一つのモノサシで測れません。

 

だから単純な競争にならないんです。

 

更に、「周囲の競争者が持っていなくて自分だけが持っている強み」を発見できて、

 

これを差別化に活かせたら、もう、無双状態決定ですね!

 

だって、周りの競争者は、マネしたくても、そもそもその強みを持っていないんですもの。

 

 

ここで、今までの3つの絞りを整理すると、、、

 

強みを絞る:まずは店の強みを決める

 

核(シンボル)を絞る:強みを更に煮詰めて、自信の「イチ推し」を作る

 

知恵を絞る:シンボルと親和性が高い上に、他社に真似が出来ない強みを生かして「差別化」を図る

 

さあ、将来性が見えてきましたか?

 

それとも、混乱が始まってしまったでしょうか?

 

どちらの反応でも、正常です。

 

「悩むこと」それ自体が貴重な時間です。

 

なぜなら、もし、決めた方向で上手くいかなかった時に、悩んだ時期があれば「じゃあ2番手で」って試せるじゃないですか。

 

あんまり悩まず「これで行ってみよ」ってやって、上手くいかなかったら、次の一手ってなかなか難しいですよね。

 

ぜひ、大いに悩んで下さい。

 

その上で、期限がきたら「エイヤ」で決断して下さい。

 

きっと自分を助けてくれます。

 

ポイント
複数のモノサシで測る分野で、周囲と差別化できる分野を見つける。

~9:品質の手がかり~

ここまで来たら、もう一歩です。

 

自分で悩んだ末に選んだ「こだわり」は決めた。

 

それを追求する。

 

追求して追求して、、、

 

「自分にしか分からないモノ」になると、それはこだわりとは言えないんです。

 

「ひとりよがり」になっちゃうんです。

 

難しいですね。

 

だから、自分がこだわったポイントは、やっぱりお客さんに伝わらなければ意味がありません。

 

しかも、自然に、押し付けがましくなく。

 

だから、ありとあらゆる方法で、それとなく伝えなければいけません。

 

そのために、こだわりが伝わると思われる方法を、色々試しましょう。

 

高級おにぎりが、和紙に包まれているように。

 

あるいは、最高級のブルマンは、特別なカップで淹れられるように。

 

店構え、HP、インスタ、BGM、店内の明るさ、制服、小物、などなどなど。

 

全ては、自分の「こだわり」から派生して決まっていくものです。

 

自分の強みと「こだわり」を、お客さんにも感じ取ってもらって下さい。

 

 

ポイント
伝わらない「こだわり」は「ひとりよがり」。顧客にも強みを感じ取ってもらう。

〜10:口コミ〜

今更だけど、口コミってバカにできないですよね。

 

一般消費者に対する影響度は、すごく高いです。

 

しかしながら、サービスを提供する側からは、簡単にコントロールできないもの。

 

だからこそ、信頼されるという側面もあるんですけどね。

 

では、我々に何か出来ることがあるでしょうか?

 

もちろん、完全にはコントロール出来ませんが、それでもやれることはあります。

 

そもそも、口コミとは、

 

「伝えたくなる」×「伝えやすい」

 

で表現されます。

 

つまり、「伝えたくなるコト」がまず存在して、さらにそれが「伝えやすい」時に、誰かが誰かにそのコトを話すわけです。

 

別にどーでもイイことを、誰かにわざわざ話す人はいません。

 

また、伝えるに際して、言葉で表現することが難しいと、やっぱり伝える気が削がれます。

 

ですから、「伝えたくなる」ことと、「伝えやすいこと」の両面を高めれば、口コミが自然発生する確立が高くなるのです。

 

要素1の「伝えたくなる」については、特別な対策は必要ありません。

 

真心から「こだわり」を大事にして、同じくらいお客さんを大事にして、ひたすらに、お客さんに喜んでもらいましょう。

 

きっと、お客さんは感動して、あなたのお店を誰かに伝えたくなります。

 

では、要素2の「伝えやすい」ってなんでしょう?

 

単純な話ですが、「分かりやすい店名」、「覚えやすいメニュー名」など。

 

誰かが他の誰かに話す時に、困らないように。

 

あんまり凝って、お客さんが読めない店名とか、聞いたこと無いメニューとか、

 

そいうのは避けた方が良いです。

 

「前に行った新しいお店なんだけど・・・なんて名前の店か忘れっちゃったけど、メチャ良かった!」ってなっちゃったら、自分の店の口コミになりませんよね?

 

せめて、「店のこだわり」と「場所」で検索したら、ちゃんと1位にHPが出てくるくらい、

 

誰かが友人に自慢したくなるお店が作れれば、最高ですね!

 

 

ポイント
顧客の記憶に残るサービスを提供する。

〜まとめ〜

伝えやすさ重視で、とんでもなく「くだけた」書き方になって、ほんと申し訳ございません。

 

ふざけているワケではないのですが、やはり、ストレート且つ短時間で伝えようと思うと、語り口調が良いかなぁと。。。

 

こんな感じでは説得力がイマイチであれば、是非原書も購入してお手元に置いて下さい。

 

そして、時々読み返して下さい。

 

本ページが、その導入のキッカケになってもらえれば幸いです。

 

開業前も開業後も、様々な困難があると思います。

 

そんな時は、是非、相談して下さい。

 

愚痴って下さい。

 

たくさんの人の目を通すと、自分一人では気づけないことに気づけるかもしれません。

 

これからの「あなた」のご活躍をお祈りしつつ、本ページを締めさせて頂きます。

 

ポイント
1.マーケティングとは、顧客の「創造」と「維持」の活動である。

2.顧客は「価値」を購入する。

3.顧客が自分に求める「価値」を理解する。
4.まず、チェーン店か専門店か、目指す姿を決める。
5.強みを明確に絞る。
6.シンボルとなる「イチ推し」を作る。
7.知恵を絞って、シンボルとその他商品との最適な組み合わせを考え、差別化を図る。
8.複数のモノサシで測る分野で、周囲と差別化できる分野を見つける。
9.伝わらない「こだわり」は「ひとりよがり」。顧客にも強みを感じ取ってもらう。
10.顧客の記憶に残るサービスを提供する。