2020年2月1日 第1刷発行
著者:加賀田 裕之(かがた ひろゆき)
発行者:櫻井 秀勲
発行所:きずな出版
【著者紹介】
営業コンサルタント。ホームメンターズ株式会社代表取締役社長。ミリオンセールスアカデミー代表。NLPトレーナー。大学卒業後、体育会系の営業会社にて高額商材のセールスマンとなるがまったく売れず、250万円の自社商材を自分で購入するほど追い込まれる。「もう辞めるしかないな」と思ったときに、トップセールスから営業極意を伝授され、人生を逆転。その後はみるみるうちに売れるようになり、100億円企業の営業マネージャーとして、部下20名のチームを連続優勝させ、新規事業部の責任者に任命。初年度年商1億円を達成。その後、IT企業会社で、部下20名を束ねる営業マネージャーとなり、さらに部下約100名の事業部副部長、年商25億円の事業会社の事業部長として結果を出す。口下手、人見知り、営業が苦手の方でも自然にお客様の「欲しい!」を引き出す営業スキルをお伝えしたい、と独立。独自の「台本営業」メソッドは朝日新聞等でも紹介。13年苦しんだ対人恐怖症営業マンが、セミナー後、前月比500%の契約獲得、元キャバ嬢でも歩合給が月に300万円以上になるなど、「モンスター営業マン製造工場」の異名をとる。本書が初の著書。
(著者紹介より抜粋)
【オススメ度】 | |
読みやすい度 | ★★★★☆ |
お役立ち度 |
★★☆☆☆ |
ほとんどの営業には有益度 |
★★★★★ |
今週は、遂に、中小企業診断士2次試験の結果発表がある日でした。
サラっと結論だけ書いておきますと、
今年も不合格でした。
いや~、どうすれば合格するんだ、この試験!?
って感じですね。。。
こんなHPを始めておいてお恥ずかしい。。。
ま、来年受験出来なくなるワケではありませんし、ここまで来たら気長に勉強を続けます。
授業料は正直痛いけど。。。(笑)
それでは、今週の1冊です。
先週と同じく、アマゾンでウロウロしていたところ、目に付きました。
「あなたにオススメ」に出てきた1冊ですね。
内容は、業種に関係なくほぼ全ての営業に活用できる、まさに「営業の秘訣」といった感じでした。
ただ、自分が担当している業種・業容を考えると、ちょっと安易に真似するのは危ないなぁ、といった感じでした。
勉強になった点、安易に真似しないほうが良さそうな点も含め、ご紹介致します。
ニーズを深ぼる
おそらく、この1点が本書で紹介されている「台本営業」最大の特徴であり、肝でもあると思われます。
詳しく書きすぎると「盗用」疑惑が出てしまうので、あくまで本書を読んで私が抱いた見解を書かせて頂きますと、
「表面的なニーズ」を探った後に、
「更に深いニーズ」を相手に感じさせる。
つまり、「このままの状況が続いたり、外部環境の変化が起こった時に、困ったことが起こらないか?」
そして、「困ったことが更に悪化したら、地獄を見ないか?」
ということを、会話を通じて、質問を投げかけ、「相手の口から言わせる」もしくは「相手に納得させる」点に特徴があります。
そして、「このままではマズイ」ということを営業相手に十分理解してもらったところで、「これから提案しようとしているサービス・商品を購入頂ければ、地獄を回避して天国が見れます」と提案する、という流れです。
本書にはたくさんの例示が出ており、非常に納得的な説明やパターンが示されています。
ただ、この点を誤解なく伝えようとすると、ほぼ、本書を丸パクリして書かなければいけない気さえしています。
ですので、説明は本書をお読みいただくとして、私が感じた感想を書きます。
・BtoCセールスや、BtoBでも実権者にセールスするとしたら、非常に有効な手法。
・極端に言えば、相手が逆ギレする直前までニーズの深堀りを進める事が、最も効果的。
反面、
・担当窓口に説明し、いくつもの社内稟議を通る必要がある提案では、この限りでは無い。
・地獄を見るのも天国を見るのも、担当窓口だけでは無く、企業が大きくなればなるほど、この単純なストーリーだけでは物事が決まらない。
といった感じです。
ただ、自分が所属している部署は「営業」と言っていいか不明なくらい、普通の営業とはかけ離れているので、世間一般の営業マンには絶対にオススメです!
私は、考え方や効能だけ学ばせてもらい、発揮の仕方は自分なりに工夫しようかと思います。
〜 To Do 〜 |
地獄を見せてから天国への解決法を示す。 |
以前ご紹介した「営業の一流、二流、三流」にも書かれておりましたが、営業におけるクロージングは重要です。
同書には、「クロージングは営業相手へのホスピタリティ」とまで書かれていました。
しかしながら、クロージングに苦手意識を持っている方は多いのではないでしょうか?
私も苦手です。
そんな方に、この「テストクロージング」は極めて有効だと感じました。
テストクロージングとは、商品説明をする前に、以下のようなトークをすることと書かれています。
(以下、引用)
「いま○○さんのお話を伺いまして、□□という心配事(問題)を解消して、△△という結果をご希望されているということでしたが、これからご紹介する商品が○○さんにとって、本当に必要なければ無理におすすめしません。断って頂いて結構です。お話、お聞きになりたいですか?」
(引用、ここまで)
このように、「もし必要なければ断ってもらって良い」という言質を取ることが、テストクロージングであると紹介されています。
これには、以下の効用が期待できるとのことです。
1.テストクロージング無しに商品紹介をされると、押し売りをされている気がして、「断る理由」を考えながら提案を聞かれることになる。
2.「必要なければ断って良い」という言質をとると、「必要を感じればクロージングをかけても良い」という言質を取ったことにもなる。
どちらも、非常に納得的です。
商品説明中に、相手に「断る理由」を考えられると、十分に提案を聞いてもらえません。
これは、自分が売られる立場になった時に非常に良く分かります。
例えば、ショッピングモールで行われている「ウォーターサーバー」のセールス。
風船人形を作ってくれて子供がよく引っかかるので、すぐセールスを受けます。
家内は「旦那に聞かないと」で逃げるのですが、私はそれでは逃げられず・・・
結局、断る理由を事前にしっかり考えておいて、それから話を聞くようにしています。
また、2の「必要を感じたなら、クロージングをかけても良い」という裏の言質を取ったという点も、納得の行く話です。
必要ないなら断って良い⇛必要なら契約しても良い
ってなりますもんね。
当然、成約率100%というわけには行かないでしょうけど、テストクロージングを挟むか挟まないかで、その後の「売られる側」の気持ちが大きく違うことは、よく分かります。
この点は、自分も大いに参考にさせてもらいたいと思いました。
〜 To Do 〜 |
テストクロージングで、相手の気持ちを提案に向けつつ、クロージングまでスムーズに運ぶ。 |
FABECの公式とは、アメリカで発明された、商品説明時の公式だそうです。
F:FEATURE 特徴
A:ADVANTAGE 特長
B:BENEFIT 利益
E:EXPLANATION 説明
C:CONFIRMATION 確認
この順に、商品説明を実施するのが良い、とのことです。
まず、特徴と特長ですが、こちらは以下の通り、似ている言葉ですが意味は明確に違います。
このカメラの「特徴」は、重量があり、電池が持つこと(デメリットもメリットもある、「個性」)
このカメラの「特長」は、電池の持ちが長いこと(「特徴」の中で、メリットをもたらすこと)
という違いです。
まずは個性を伝えつつ、特長を説明する、というわけですね。
その次の「利益」は、当然、顧客に対する利益です。
伝える方法は場面や商品により千差万別だと思われます。
本書には様々な例が詳しく記載されているので、そちらをご参照頂ければと思います。
これらを順に説明し、最後に「何か、ご質問はありますか?」と確認をすれば、1クール完了です。
その後、質問や不満が出てくれば、再度特長・利益を説明するサイクルを繰り返す、というわけですね。
FABECという頭文字は始めて聞きましたが、日常のセールス・商談はこの順序で実施していました。
(というか、提案書がこの手法で書かれているのですね)。
知らず知らずで身についたものでしたが、改めて「型」として認識すべきだと感じました。
〜 To Do 〜 |
特徴(F)→特徴(A)→利益(B)の順に説明(E)し、納得したかを確認(C)する。 |
いかがだったでしょうか?
この著者は、売上成績が悪いと「受話器を手にガムテープでぐるぐる巻にされ、椅子を取り上げられ、アポが入るまで座れない」といった社風での営業でトップになったそうです。
こわいですね~
しかし、自分がトップになった上に、自分の部下もトップセールスに変貌させるスキルなので、汎用的に応用が効くのだと得心しました。
普段の営業でも利用できる範囲で、活用させて頂きたいと思います。
〜 To Do 〜 |
1.地獄を見せてから天国への解決法を示す。 |
2.テストクロージングで、相手の気持ちを提案に向けつつ、クロージングまでスムーズに運ぶ。 |
3.特徴(F)→特徴(A)→利益(B)の順に説明(E)し、納得したかを確認(C)する。 |