2017年2月19日 第1刷発行
著者:山口 拓朗
発行者:石野 栄一
発行所:明日香出版社
【著者紹介】
伝える力【話す・書く】研究所所長。出版社で編集者・記者を努めた後に独立。22年間で3000件以上の取材・執筆歴がある。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通して「論理的なビジネス文書の書き方」「好意と信頼を獲得するメールの書き方」「売れるセールス文書&キャッチコピーの作り方」「集客につなげるブログ発信術」など実践的ノウハウを提供。
中国の5大都市で「Super Writer養成講座」も定期開催中。著書は『買わせる文章が「誰でも」「思い通り」に書ける10あの法則』『伝わるメールが「正しく」「速く」書ける92の法則』(共に明日香出版社)など10冊以上。電子書籍に2013年アマゾンKindle本(ビジネス・経済部門)の年間ランキング1位に輝いた『ダメな文章を達人の文章にする31の方法』(バレーフィールド)がある。文章作成の本質を捉えたノウハウは言語の壁を超えて高く評価されており、中国、台湾、香港など海外でも翻訳されている。(著者紹介より抜粋)
【オススメ度】 | |
読みやすい度 | ★★★★☆ |
お役立ち度 |
★★★☆☆ |
知っていたことが多かった度 |
★★★★☆ |
「それでは皆さん、グラスの用意は良いですか?始めますよ?それでは、わいふぁ~い!」
先日、流行りに乗ってやってみました、「オンライン飲み会!」
4月から職場のチームに新しいメンバーを2名迎えており、従来の4名から6名に大幅戦力アップしていました。
しかしながら、昨今の状況で、我々の会社でも歓迎会等を含む外部での飲み会が禁止されており、ずっと歓迎会を開けずにいました。
しかも、輪番のリモートワークも重なり、メンバー間の人となりやバックグラウンドも分からぬまま、1ヶ月弱が経とうとしていました。
そこで、世間で話題のオンライン飲み会を当チームでも開催してみました。
サービスは、「たくのむ」を利用させて頂きました。
乾杯の発声は、3月22日の感想文に書きました、「わいふぁ~い」。
離れた相手に乾杯の気持ちを届けるため、オンライン飲み会にピッタリな掛け声でしたw
せっかくなので、少し感想を書きますね。
【メリット】
1.好きなドリンク、好きな料理を各自で用意できる。
「まずはビール」という雰囲気に流されず、好きなお酒を楽しめます。
お酒が苦手な人なら、最初からソフトドリンクでも良いですし、酒好きはいきなり日本酒やワインでも可。
高いお酒を飲む人、安めの発泡酒を用意した人、ウイスキーと炭酸水でひたすらハイボールを飲む人など、様々でした。
料理も、自分が用意した酒に合わせて各自で好きな物を好きな量で準備できます。
2.無用な気遣いが無い
目上の人のグラスを気にしたり、料理を取り分けたり・・・といったことが不要なので、特に若手にとっては気楽な飲み会が出来るのではないでしょうか。
3.コストが明確
たくさん飲む人や大量に食べる人と、少酒・少食な人とでも、割り勘すると全員一律だったり年齢別に傾斜がかかったり・・・と、不公平に感じていた方も少なからずいらっしゃったと思います。
オンライン飲み会なら、自分の分を自分で用意するので、明朗会計が実現できます。
【デメリット】
1.話題が必ず1つ
例えば、6人や8人での普通の飲み会だと、3~4名のグループに分かれて同時に複数の話題で盛り上がることがあると思います。
一方、オンライン飲み会だと、発言者は必ず1人にしないと声がかぶってしまうので、参加者全員が1つの話題に集中することになります。
今回は6名で2時間の飲み会をしたのですが、普段の飲み会の30%くらいしか会話が出来ませんでした。
あまり大人数の飲み会は向かないかもしれませんね。
2.思いのほか飲み過ぎる
しゃべる時間より聞いている時間が長いので、どうしてもドリンクを飲んでいる時間が多くなります。
普段の飲み会で2時間だと、「まだまだこれから」感がありますが、オンライン飲み会で2時間飲んでいると、思いの他酔いが回っていて、翌日の出社はなかなかしんどかったです(苦笑)
3.同居人に気を遣う
各メンバーとも、小さいお子さんがいらっしゃったり、パートナーの体調がすぐれなくて・・・など、場所を確保することに難儀していました。
また、私の家族は子供が3人いるので、横から何度も参加してきて、最初は微笑ましいものの徐々に鬱陶しくなってきました。
後半、私のマイクはずっとオフでしたw
メンバーのパートナーやお子さんが少し会話に参加するのは楽しいのですが、頻度が多いと、話題が途中で切れたり、会の趣旨がぼやけたりするので、一長一短な感じでした。
今回は新メンバー2名の歓迎会だったのですが、上記の理由から、あまり2人を主役にすることができませんでした。
【結論】
4名以下の飲み会であれば、楽しく活用できそうな気がします。
特に、遠距離の友達や地元の仲間など、普段は距離の制約があって会えない人とのコミュニケーションに向いているのではないでしょうか?
逆に、送別会や歓迎会など、趣旨がハッキリしている会合は、やはり対面での開催が良いと思います。
個人的には、同じお酒や料理を味わい、「おいしい」という感覚を共有することも好きなので、オンラインでは少し物足りなかったですね。
前置きが大分長くなりました。
ようやく、今週の1冊です。
先週と同一シリーズです。
今週は「メール」版です。
先週感想文を書きました「文章」の本以上に、「メール」について整理して学んだ経験はありませんでした。
社会人を何年も続けて、上司や取引先のメールから見様見真似で覚えてきたという感じです。
この本は、特に新社会人の必読書にすべきだと思いますね。
やはり、基本の部分は分かっていましたが、初めて知ったりハッとしたことも複数ありました。
例によって、3つご紹介いたします。
仕事の文章は、感情を出さないようにして、冷静かつ客観的な表現が重要であると思っていました。
しかし、本書を読んで、この考え方は気をつけなければいけないと気づきました。
まずは、本書の例文を引用いたします。
【受動態】:今回の展示会でスローガンに掲げられているのは「環境との共存」です。
【能動態】:今回の展示会でスローガンに掲げているのは「環境との共存」です。
どちらも同じことを述べていますが、説得力や信頼性の高さ、という点では、能動態に軍配が上がります。
このように、受動態を使用すると、主語が曖昧になり、読む人に無責任な印象を与えかねません。
他にも、本書には以下の例文が掲げられています。
【受動態】:先月リリースされた商品Aが、よく売れています。
【能動態】:先月リリースした商品Aが、よく売れています。
【受動態】:キャンペーンが開始された。
【能動態】:キャンペーンが始まった。
【受動態】:準備されてある資料に手を入れます。
【能動態】:準備してある資料に手を入れます。
論文など、客観性を重視する文章ならば受動態が適しているケースもありますが、業務で使用する文章の場合、特段の狙いや理由が無い限り、能動態で書くべきですね。
〜 To Do 〜 |
原則、能動態で記述する。 |
仕事で使うメールでは、結論を先延ばしにする"もったいぶった書き方"は禁物だそうです。
本書の例文を引用します。
【ダメ文】:7日は朝から大阪へ行き、お客様の店舗を3件回ったのち、大阪支社で事務処理を済ませてから帰京します。もしかすると、帰京が20時をすぎるかもしれません。せっかくのお誘いですが、今回は参加を見送らせていただきます。
【修正文】せっかくのお誘いですが、今回は参加を見送らせて頂きます。7日は朝から大阪出張で、帰京が20時を過ぎるためです。
私だったら、丁寧に状況を説明したのち、やむなく欠席する感情を伝えようと、つい【ダメ文】のような記載をしてしまいそうな気がします。
ですが、このように2文を見比べれば、結論を先に書いてもらい、理由は簡潔に述べてもらう方が、読み手としてはストレスがありません。
メールを書くときは、「相手が何をいちばん知りたがっているか?」を良く考えるべきですね。
〜 To Do 〜 |
結論はメールの冒頭で示す |
これも、分かっているようで、ついつい犯してしまうミスですね。
本書の例文を引用します。
【ダメ文】:ダラダラ作業するのはやめよう。
【修正文】:テキパキと作業をしよう。
【ダメ文】:靴のまま入らないで下さい。
【修正文】:靴をスリッパに履き替えてから入って下さい。
【ダメ文】:明日までに完成しなければ、大問題になるぞ。
【修正文】:明日までに完成すれば、大手柄だぞ。
特に3番目の、「大問題」を「大手柄」に言い換えるなど、やり過ぎ感が満載ですが、指示を受ける側から考えれば、このくらいの大げさな表現の方がやる気がでるかもしれませんね。
私の職場にも、どうにもピリッとしない後輩がいて、ついつい強い口調でたしなめてしまうのですが、特にメールのような短文での指示の際は、言葉遣いに気を付けようと思いました。
〜 To Do 〜 |
肯定的表現を多用する |
樺沢医師の本を読んでいる中で、オススメ本として紹介されていた本です。
もう社会人も10年以上になりますが、それでも気付きを得られる良本でした。
改めて、読書の大切さを思うと共に、若手時代の自分のイイカゲンさにあきれるばかりです。
本書は入門レベルでもあり、社会人1〜2年目に読んでおくべき良書だと思います。
もし、若手を導くお立場の方がいらっしゃれば、是非一度本書を手に取り、そして若手に教えてあげて頂きたいと思います。
〜 To Do 〜 |
1.原則、受動態で記述する。 |
2.結論はメールの冒頭で示す。 |
3.肯定的表現を多用する。 |